組織開発とは「社内の会話の解像度」を上げること

ここ数年、組織開発という形で評価制度構築運用と管理職育成で継続的に支援している企業での気付き。結局、研修も評価制度も「社内の会話の解像度を上げること」 なのではないか、ということだ。

中小企業は特に、そこが揃っていないことが多い。
たとえば、主体性・責任感・マネジメント・優先順位、こうした言葉ひとつ取っても、人によって捉え方が違う。
このズレが、会議でも、評価でも、会話しているようで、実は噛み合っていない状態を起こす。「言った・聞いてない」 「そんなつもりじゃなかった」 「現場はわかってくれない」 「経営はわかっていない」

こうしたズレが積み重なって、不信感を作り出す。
だから、組織変革において本当に大事なのは、制度を導入することそのものではないのだ。制度や仕組みの意味・目的を、組織内でどれだけ共通言語化できるか。

そして、コンサルタントが出来ることは、
・そのストーリーとシナリオづくり
・本気の姿勢で向き合うこと

くらいだ。

実際、うまく動く企業は、総務や人事(規模が小さければ社長自身)が、ちゃんと本気で動くようになる。それは「制度管理」のために動くのではなく「組織内コミュニケーションの設計者」として動くようになることだ。

総務人事の本来の役割は、 単なる制度運用ではなく、経営の意図を翻訳し、現場との接続をつくり、言葉を浸透させ、解像度を揃え、対話を設計し、行動変容を支える役割なのだ。

それを間違えると進むものも進まない。
でも、それを言葉で言うと説教くさいし、意外と伝わらない。そう仕向けることに時間を使うのもコンサルタントの仕事。そして、ワタシと同じ言葉で説明する人事を見て、“考える視点”が組織にインストールされ始めたなとニヤニヤするのが、ワタシのコンサルとしての喜びである。

ここまで来るには、結構エネルギーを要するのも事実。「意味の浸透」は、資料や理論だけでは進まないからだ。
アンパンマンが、自分の顔を差し出すように、自分のエネルギーを削っているのがわかる。(このやり方しか出来ないという話もあるが)

でも、これが出来ると「ただ知識を植え付けるのではなく、相手が何かを受け取った」という状態を作れるので、ワタシが想像した以上の学びを得てくれることも多い。

人は、情報だけでは動かない。
この人は本気なのか。覚悟を持って向き合っているのか。そういうものを、意外なほど見ている。

“本気で向き合うエネルギー”は、組織の空気を変える。
そして、社内の会話の解像度を、少しずつ高めていくのだと思う。

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