良いコーチ・良い上司とは
人に教わるということ
元来ワタシは、人にアレコレいわれるのは嫌いなタイプだった(誰しも色々言われるのは嫌かもしれませんが)のですが、独立してから、さらにはヨガや卓球などの運動を始めるようになってからは、「人に何かを教わる」「他人にアレコレ言われる」というのはありがたいことなんだと気付けるようになった。
このことに関しては、ヨガに通って気付いた点も大きい。
「まるまる1時間、誰かの指示を受け続けて動く」・・・最初は苦痛だったが、次第に余計なことを考えることもなくなり、頭の中がカラッポになる。そして、目の前のインストラクターの言うことを聞く。あぁ、指示されるって楽だなーナンテ思うようになった。
そして、そのうち「あれ?ただ動いて汗かいてスッキリするだけじゃ意味ないんじゃ?」と思い始める。
せっかく通っているなら、「なんのためにこのポーズが必要なのか考えた方がいいんじゃないか?」と。
そうすると、いい先生とイマイチな先生の違いがわかってくるようになった。
私が思うヨガのいい先生は、
・どこに意識を向けるべきかのアドバイスが的確(目線、おでこ、脇腹など)
・いいタイミングでリラックスさせる言葉を入れる(表情への意識、呼吸への意識など)
一方、イマイチな先生は、
・ポーズを指示するだけで、その意味するところは教えてくれない
・リズムが受講者と合わない指示を出す(テンポが乱れて集中力を削ぐ)
やはり、なんのための(目的)をしっかり伝えることは大事!
良いコーチ(良い上司)
で、最近は、卓球でも人に教わることが多くなり、教えるのがうまい人の特徴がわかってきた気がする。
教えるのがうまい人は・・・・
直接的に悪い面を指摘するだけではなく、それを改善するために何をするかの指示が具体的(難しいことではなく、簡単にできることを言う)
相手のレベルと性格に合わせた指導ができる
教え方のうまい人に教えてもらうと、すぐに「うまくなった実感を持てる」
最後の「うまくなった実感を持てる」は、意外と大事なことだと思う。
もちろん、その場限りのプラシーボ効果ではなく、ゴルフなら球が飛ぶとか、卓球なら威力のある球が打てるとか、そういう直接的な成長実感のことである。
いい指導者になろうとして、アレコレ細かく指示しても相手の成長にはつながらないことも多い。
よくあるのが「言ってることはわかるけど、できないんだよなぁ」ってやつ。そして、それを「まぁ昔からやってた癖だから直らないよね」とか「そういう性格だから無理だよね」と決めつけてしまいがち。これでは教えられる側も成長しない。
結局のところ、中途半端なコーチは理論や理屈が中途半端か適切に教えられないので、上手な指導ができないのでしょう。論理的思考や言語化する能力も必要ということ。(仕事でも同じですね)
そして何より、
自分(教える相手)の能力を最大限に発揮できる環境や土台が作れなければ、いくら指導しても効果は薄い。お互いの信頼関係や、レベルと性格に合わせた指導ですね。
先日、ヨガのクラスで中級コースに参加したら、インストラクターが結構厳しいことを言うわけです。「みなさんは中級にまでステップアップしに来てるんですから、ただ汗かいてスッキリなんて意味がありません。スッキリするのはただの運動です。みなさんはヨガをしに来ているんですから、呼吸に意識を向ける、その呼吸がどこに効いているのか考えることをしてください」と。
おぉーーーーー、ワタシの求めていたものだ。と、思った瞬間に「そうか、これは中級クラスの人だからあえて発破をかけにきてるわけね」とわかった。これが相手が望むレベル(今のレベル)に合わせた指導ということだ。
そして、出来ない人には、出来なくてよいではなく、今より成長できるような指導をする。
そして、教えるのがうまい人は引き出すのもうまい。
指示命令ではなく、相手から意欲や考えを引き出す。
まさにコーチング。
卓球の指導してくれる人に「今度教えてください」と話したら「平井さんは上手になりたいですか?」と聞かれた。あぁそうか、ワタシは上手くなりたいんだよな。当たり前すぎてその意欲を言語化したことなんてなかったが、口に出してみると気持ちが明確になるなと思った。
「はい!ワタシ、うまくなりたいです!」
言ってみたら、前向きになれたような気がした。
方向性も明確になった気がする。
先日クライアント先でヒアリングをしていたら、
「ワタシ、もっと成長したいんです!」
という声を聞いて、とても気持ちがよかった。
この人材がもっと成長を実感できる組織にしたいと心から思えた。
こういう前向きな言葉を、上司がもっともっと引き出してあげると、いい組織に近づきますね。