これからは間接部門が力を持つ
どの中小企業も、毎度毎度ご多分に漏れず「現場がエライ」、「営業がエライ」と思っている組織が多いこと、多いこと。
売上を上げてるんだ、という気概や誇りは大切にしてほしいが、間接部門を下に見るのは間違っているのではないだろうか。どちらが上と決めてしまえば、間接部門は軽視され、調達部門や総務部門は自分で考えることをやめ、現場の雑用にされてしまい、客観的な視点を失う。
にも関わらず、なぜかその風潮に経営者まで巻き込まれてしまっている会社が多い。そして「間接部門軽視風土」の企業は大概以下の問題を起こしているように思う。
– 人事評価制度がうまく運用出来てない
– IT化、DX化が進みにくい
– 女性活躍が進まない(女性を育てられていない)
人事評価制度を作ろうとすると、「営業のほうが上ですよね。僕たち売上作ってるんですよ」という現場の声にぶつかる。そんなことを制度で認めたらどうなるよ、間接部門が会社全体を考えてコントロールする役割にならなかったら、近視眼的な動きしか出来ない企業になってしまうでしょうが。。。
加えて、よくないのは、直接と間接を兼任して曖昧にさせてしまってる企業。間接部門にも営業を経験させようとか、その狙いは悪くないといしても、役割が不明確になり、結局言い訳する人材をたくさん生み出すだけなのだ。「ワタシはこっちの仕事が忙しいから、あっちは出来ない」を言わせてしまう原因を作ってるぬるま湯体質アルアルである。
また、IT化、DX化でいえば、間接部門の効率化は生産性を上げる上で重要なのに、間接部門にはお金をかけられないと、これまた近視眼的理由で初歩的なところで躓いてしまう企業もチラホラ。結局コミュニケーションコストが増大して、余計な仕事を全社員で増やしているのだが、そもそもITはお金がかかると社員は洗脳されてる(もしくは社長が思い込んでる)ので、小さな成功体験すら作ることが出来ずに足踏み。データの蓄積が進まないのも後々に響いてくるだろう。
さらに女性活躍でいえば、総務や経理に比較的多い女性に「経理では、この給料が限界」と社長がアッパーを決めてしまい、ぬるま湯に温存、もしくは物足りなくて転職という結果になることも。。。その給料しか渡せないような仕事しかさせてないなら、仕事を見直すか担当者を見直すかしなければ仕事の価値は高まらないだろう。そして、いまだに「女性なんだからそんなに頑張らなくても」という風潮で事務作業に女性を貼り付けるのは、人を育てようとしていない証拠だろう。人間誰しも同じ作業をやり続けてたら、どこかで習熟するし飽きてくる。前向きに変え続けるという風土を根付かせるためにも、女性だから、事務だからという思い込みは排除すべきだ。
要するに、間接部門が攻める間接部門になれば、直接部門は切磋琢磨するし、業務も時代に合わせて変化出来るし、個人も組織も成長するんだよって話です。
そんなに難しいことしろって言ってないので、小さいチャレンジが大事ですね。千里の道も一歩から!